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2015年9月の声明

「安全保障関連法案」に反対する東北大学教職員有志の声明

 私たち東北大学教職員有志は、現在、参議院で審議されている「安全保障関連法案」(以下、「安保法案」)について重大な危惧を表明し、廃案を求めるものである。

 日本政府は、現行憲法の下では集団的自衛権は行使できないとの見解を一貫して維持してきた。ところが、安倍内閣は憲法の解釈変更によってそれが可能であるとして、「安保法案」を国会に提出した。

 そして、同法案は、大多数の憲法学者、元内閣法制局長官、元最高裁長官・判事、弁護士等によって違憲であるとされたにもかかわらず、衆議院で強行採決された。

実質的な審議が不十分なまま国政の根本を転換しようとすることは、国民から憲法を介して授権された権力行使の範囲を超えている。これは立憲主義を蔑ろにするものであり、法治主義を放棄するに等しい行為であると言わざるを得ない。戦後日本は、戦前の軍国主義への反省から、厳格な法による支配を重視してきた。戦後70年という節目にそれが踏みにじられつつあることは誠に遺憾である。

 戦後日本の学問は、平和主義、立憲主義、法治主義、民主主義を尊重してきた。それらを否定するような動きを、大学人として到底容認することはできない。「安保法案」の廃案を強く求めるものである。

 

呼びかけ人

入間田宣夫(名誉教授、歴史学)

小田中直樹(経済学研究科教授、社会経済史学)

片山知史(農学研究科教授、水産学)

高倉浩樹(東北アジア研究センター教授、社会人類学)

糠塚康江(法学研究科教授、憲法学)

野家啓一(総長特命教授、哲学)

長谷川公一(文学研究科教授、社会学)

柳原敏昭(文学研究科教授、歴史学)

山下正廣(理学研究科教授、化学)

吉田正志(名誉教授、法制史) 以上10名

賛同者:270名

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